FXが取引対象とするのは為替市場ですが、為替を取引する以上、意識せざるを得ないのが金利と株となります。
今でこそ日米欧共に超低金利政策で、政策金利よりも非伝統的緩和策の導入などに代表される金融政策の内容が注目されていますが、主要国の金融緩和が終わり通常営業へと戻れば政策金利の引き上げ/引き下げの見通しが為替市場の大きな材料となります。
政策金利に対する考え方はシンプルで「金利の上がりそうな国の通貨は買われる/金利の下がりそうな国の通貨は売られる」
ここで大切なのは、実際の金利の上げ下げよりも将来の金利見通しが材料になりやすいという事です。
私達のような個人投資家、短期トレーダーはともかく、中長期的な資金は低金利な国から高金利な国へと流れるのが基本。
金利がこれから下がりそうな通貨を買いたいとは思われないし、金利の見通しが弱気な通貨は為替市場でも売られがちになります。
また、金利の見通しは実際の政策金利以上に頻繁に変わるのです。
GDPやインフレ率などの経済指標や要人発言などによって「次回の中銀会合では金利が上がりそうだ」「いや金利を下げるだろうが、下げ幅は0.25%ではなく0.5%になるかもしれない」といったような「上がる/下がる/据え置き」かの見通しだけでなく、「上げ幅/下げ幅」の見通しも変わっていき、その変化に為替市場は敏感に反応するのです。
金利に限らず、こうした見通し、大方の市場関係者が「こうなるだろう」と一致した意見は「コンセンサス」と呼ばれます。
「何がコンセンサスになっているのか」
そのキーファクターを掴むのは最初のうちはなかなか難しいと思いますが、欧米の投資家が日常的に目を通すファイナンシャルタイムズやブルームバーグなどの海外メディアが大きなヒントになります。
FXトレーダー向けに特化した情報配信会社のFXニュースでは中央銀行の会合前に予想織り込み度として紹介されています。
また、こうした予想織り込み度は、バイ・ザ・ルーモア/セル・ザ・ファクト(噂で買って事実で売る)を利用したトレードにも非常に役立つのです。
市場参加者が金利の先行きをどう見ているかは通貨の動向を占うのに非常に大切な要素となります。